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今でこそ、毎日放送はTBS系列ですが、昭和50年3月までは当時のNETテレビ(今のテレビ朝日)系列でした。NET系列だった頃の「真珠の小箱」は確か、金曜22時30分からというプライムタイムでのオンエアでした。
まだ志賀直哉が健在だった頃、「真珠の小箱」がオンエアされる日は朝から新聞のラ・テ欄に赤鉛筆で印を付け、必ず見ていたというエピソードが残っているそうです。それほど、かつての「真珠の小箱」はアカデミックな内容だったのです。
毎日放送がTBS系列にネットチェンジする時、何とか「真珠の小箱」をプライムタイム内でのオンエアをと頑張ったそうなのですが、結局日曜日の早朝に押し出されてしまった、と毎日放送の社史にはあります。
大阪と名古屋のみでの放送となった頃からでしょうか、かつてのような教養番組の雰囲気は薄れていったような気がします。あからさまな近鉄沿線への旅行誘致(特に伊勢方面)の回も多くなり、なにも「真珠の小箱」でそんなことをしなくてもというようなグルメ的な取り上げ方も多くなり、文字通り食傷気味な感も否めませんでした。
とは言うものの、朝日放送の大阪ガス提供・部長刑事シリーズが終了した時と同様に、関西発のギネス級の番組が終了することに、一抹の寂しさがあります。貴重な映像が残っているだけに、そういった資料などが散逸しないことを切に願います。
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