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各新聞、テレビにも出ておりましたが、29日は近鉄本社株主総会でした。集中日にやるところがまだまだだなあと思う部分ですが、会場の都ホテル大阪には、過去最高の1900人ほどが出席したということです。
株主の関心のメインはもちろん、球団の問題です。参加者の多さもそれを反映しているのではと感じます。
オリックス株主総会が、参加者70人、時間25分で球団の質問すら出なかったというのとは対照的ですが、あちらは球団が残る、こちらは消滅の危機となれば反応も違うのか、またはオリックスが言うならば一般の人からまだ遠い会社で、近鉄のほうが一般消費者などに近いということなのかもしれません。
球団の問題については、山口社長が「40億円の赤字は看過できない」「新球団にもご愛顧を」という声でしたが、一部の株主からは経営責任を問う声や、中途半端な合併ではなく球団売却などを求める声もあったということで、これは当然というものです。
ただ、株主の反応は様々で、球団合併には経営上は致しかたない、当然のことと容認する人と、上記のような反応、「合併反対、20年に一度しか優勝しない阪神でも儲かっているのに努力不足」「ファンを獲得する努力をしろ」という反応もありました。
株主の場合は、儲かっているかどうかで判断するためか(必ずしもBuファンばかりではないですし)、冷めた意見も多かったと思います(ただ、報道ステーションの伝え方は偏っていたうえに、ナレーターの社名や社長の読み方も間違っていた)。
私はやっぱり、存続に向けて、近鉄がやれないなら売却すべきだと改めて申し上げます。
この数日の動きはあまり大きくないのですが、やっぱりオリックス球団に吸収される形になりそうだということが見えてきます。
BWオーナー宮内氏は、オリックスの名前は消さないといい、ブルーウェーブの名前にもこだわりがあるといい、さらに本拠地は大阪ドームは高いと拒否反応すら示しており、このままいけば、球団名はオリックスブルーウェーブで、本拠地は神戸になってしまう、つまり大阪近鉄バファローズは「消滅」してしまいそうな雰囲気になっています。
なお、合併球団はオリックスが7〜8割出資(読売では資本金1億円とも伝える)、近鉄が2〜3割という方式になる、近鉄側は球団は新設合併の形を取りたい意向だが、オリックス側は「まだ決まっていない」と発言したことも伝えられています。
しかし、近鉄に問いたいのは、撤退したい野球事業なのに、なぜこれからも球団に出資するのかということです。なんともこれは理解に苦しみます。ファンのためを思ったのかもしれませんが、であるならば球団を身売りし、存続させるほうがファンにとってはありがたいというものです。
昔、国鉄から産経に身売りされたスワローズを見て、金田正一投手は「スワローズが残るのならそれでいい」と言ったといいます(産経になって球団名はアトムズになり、ヤクルトに移ったあとにスワローズへ戻った)。
ブルーウェーブも阪急ブレーブスを買収したものですが、球団は残ったわけですから、応援する対象はまだありますが、合併しかも長い歴史のある球団が消えるとなれば、ファンも心中おだやかでないのが普通です。
身売りしても「バファローズが残ればそれでいい」と思います。
ただ、近鉄経営陣の責任はやはり問うべきだと感じます。
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そういえば、29日付日刊スポーツは合併が白紙になるかもしれないと伝えています(大阪は1面)。
近鉄内部で、合併しても黒字化は難しい、本拠地や球団名、選手・社員の雇用問題が片付かず(野球協約の不備もあるが)、これなら先送りするか、他社に売却したほうがマシという意見が出てきているようだというのです。
この記事では近畿日本ツーリストと日本旅行の合併撤回の話も書かれており、球団の場合も、単に合併しても経営好転が見込めるとは思えないこと、「合併では選手、裏方などチームがバラバラになる。それならチームがそのまま売却される方がいい」という意見も伝えられています。
また、大阪ドームの経営問題も頭をもたげており、合併すればドームでの試合数が半分以下になる可能性大となれば、これもどうにかしなければならないというのもあるようです。
確かに、これは言えると思います。合併しても(経営の責任はオリックスだけども)、チームの人気が出るわけでなく(ファン離れは確実に起きます)、また選手もプロテクトする選手数が決まっていないのでどの選手を残せるのかわからない、前回も書きましたが、たとえいい選手だけを残しても優勝できる戦力にならない可能性もあるということが考えられます。
特に今回の合併が、BWとBuつまり現時点で人気・実力とも下位にあるチーム、いわゆる弱者連合になっており、人気・実力が合併して急激に増大するとは考えられないのです。
これがBuと阪神タイガースの場合だったら、違うのでしょうが(鉄道系ということと、チームやファンの雰囲気はオリックスよりも似ているし)・・・
どちらにせよ、球団の問題はすぐに片付くものではありません。半分はあきらめムードになりつつあるのですが、近鉄はナベツネと宮内両氏に騙されてるのじゃないかと感じることすらあるのです。
オリックスへの合併は白紙になることを祈るのみです(これ以上進むと近鉄という会社の「程度」も再度問われる気がします)。
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